自然災害

朝日新聞 平成27年10月20日
 東京電力福島第一原発事故後の作業で被爆した九州市在住の男性作業員ががんになったケースについて、労働基準監督署が労災認定していたことが分かった。福島第一原発事故への対応に伴う被爆と作業員の疾病に因果関係があるとして労災が認められるのは始めてのケースである。

男性は、2012年から2013年まで東京電力の協力企業の作業員として、構造物の建設や溶接の作業に当たり、2014年1月に急性骨髄性白血病と診断され累積の被爆線量は福島第一原発で約16ミリシーベルト、定期点検工事で2012年に約3ヵ月間働いた九州電力玄海原発で約4ミリだった。
厚生労働省によると、労災保険の精神に基づき、労働者への補償に欠けることがないよう配慮し、また、当時の一般公衆の被爆限度が年5ミリだった点も考慮し労災認定を行ったと説明している。
労働新聞 平成24年9月17日
https://www.rodo.co.jp/news/81813/
 阪神淡路大震災直後にがれき処理作業に従事した男性が中皮腫を発症したケースについて、今年8月、兵庫・西宮労働基準監督署が労災認定していたことが分かった。約2カ月間という短期間の石綿ばく露を認定したもので、同種のケースに影響を与えるとみられる。

支援団体のNPO法人「ひょうご労働安全衛生センター」(神戸市中央区)によると、男性は、阪神淡路大震災(平成7年1月)発生直後の2~3月の約2カ月間、建設会社でアルバイトとしてがれきの撤去・片付け作業に従事。胸膜中皮腫を発症し、平成23年10月に死亡した。
讀賣新聞 平成23年8月17日
 東日本大震災で事業所や作業場が倒壊、焼失したり、大津波で流失したりして勤務中に被害にあった人に対して、今年3月厚生労働省が労災認定する方針であることが分かった。三陸地方は明治三陸地震などで何度も津波被害を受けているため、津波による被害を「危険な環境下で仕事をしていた結果」として、災害と業務の因果関係を認めたことが影響しているとみられる。

厚生労働省によると、労災と認められるのは事業所、作業場の倒壊や水没、焼失で被災した場合や、避難中や救助中、通勤中に巻き込まれた場合、休憩時間中も適用するとしている。認定されれば遺族年金や一時金、埋葬料のほか、けがの療養費や休業補償が支払われる。行方不明者についても本来は不明になったときから1年後に死亡とみなされた場合に請求できるが、今回は特例として1年以内でも認定することを検討している。